
『邪眼は月輪に飛ぶ』に続く、藤田和日郎の短期集中連載シリーズ。
19世紀のロンドンに、バネ足ジャックが空を跳ぶ。
物語は、3年前のバネ足ジャックと現在のバネ足ジャック、二人の人物を中心に回る。
3年前のバネ足ジャックと目される不良貴族ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド侯爵、バネ足ジャックを追うスコットランド・ヤードの機関車男ジェイムズ・ロッケンフィールド、ストレイド家の侍従マーガレット、の3人が織りなす物語は、バネ足ジャックの正体を巡り急激に加速していく。
3年前にバネ足ジャックが姿を消した理由は? そして、再び姿を現したバネ足ジャックの目的とは?
全てが明らかになるその時、二人のジャックは対峙する。
熱さの塊・藤田節は健在。
何が熱いって、ウォルターの男気が熱い。
自由奔放・荒唐無稽な男が見せる優しさ、見せないように生きるその生き様よ。
皮肉屋で世の中を斜に見てる、けれどマーガレットの強さと優しさに触れ、強さの意味を知る男。
藤田キャラなロッケンフィールドとのやりとりもいい。
同時収録の外伝「マザア・グウス」は、バネ足ジャック騒動から十数年後が舞台。
ウォルターの姪・ジュリエットが活躍する、新たなバネ足ジャックの物語。
実は、こちらは本誌掲載時にはチェックしていなかったわけだが、後日談にふさわしい内容にまとまっていた。
ストレイドの血をありありと継ぐジュリエットと、マーガレットの息子アーサー。二人が蘇らせるバネ足ジャックの勇姿。
そして、十数年の歳を経て、より魅力が増したウォルターも健在。
むしろ、ここで終わってしまうのがもったいないほどの出来。
藤田作品恒例の、単行本巻末のおまけ漫画ではキュレーターの人気に触れてる。
バネ足ジャックのエピソードはこれでお終いかもしれないけれど、黒博物館を題材にした物語はまた登場するかもしれないなと思わせられる。
新たな奇譚と、生き生きとしたキャラクターの登場を願って、続編を期待していたい。
そういえば、前短期集中連載作品「邪眼は月輪に飛ぶ」では、物語の最後に「毒の霧を吐く怪物」の退治にイギリスに渡る描写がある。果たして……?
以下、藤田作品に詳しい人向けな内容。
さて、最も気になったのは、もちろんバネ足ジャックの行く末なわけだが、それ以上にどうなるのか気になったのはロッケンフィールドの血筋。
藤田ワールドにつながりがあるのかどうかは分からないけれど、スティーブ・ロッケンフィールドもイギリスの人。もし、親族だとすると、また話が面白くなってくる。
ただ、しろがね化しているので、スティーブの生誕がいつ頃なのかははっきりとしない。
とりあえず、手元の「からくり〜」で確認できたのは、トーアと70年来の友人だということ。
つまり、1920年代にはしろがね化しており、その時点でそれなりの経験を積んでいたんじゃないか。
ルシールたちがしろがね化したのが1820年、3年前のバネ足ジャックが活動していたのが1838年。一方、しろがねは4年に1歳の割合で歳を取るわけだから、例えばスティーブがジェイムズの兄弟や従兄弟で同い年だったとしても辻褄は合う。
妥当に考えれば、息子か孫あたりが有力かな?
本編にはそのつながりが一切出てこなかったけれど、「マザア・グウス」にジェイムズの子どもも登場したら面白かったのになー、とも思ってみる。
以上、藤田作品好きな人の戯れ言でした。
スプリンガルド面白かったわー。また、次も期待してますよ、藤田先生。
Es



本人っぽい線が少ないにもかかわらず、
これがまた1時間ほどで仕上げたっていうんだから2度ビックリですよ。
藤田和日郎先生の熱さ泥臭さが出てて実によかったですな。
スプリンガルドのキュレーターといい、
からくりの舞台公演形式といい、
一歩引いた観客の視点を意識させる演出を藤田先生はするのも、新たな藤田節だろか。
並はからくりとのつながりまでは考えてませんでした。
マジか、繋がるのか!
勝手に想像してみただけ。ただ、名字が一緒だったからさー。
しかし、スプリンガルドは面白かったっすよ。
次の藤田作品に期待だわー。